幹事長インタビュー

2020年9月より幹事長を務めている井出凛太郎会員にインタビューを行いました。聞き手は実践幹事です。

Q1.自己紹介をお願いします。
   鶴舞う形の群馬県で生まれ上京するまで18年間を過ごしました。県内の公立中高一貫校に入学し、赤城おろしに煽られながらも自転車で田んぼ道を駆け抜ける毎日を送りました。中学はラグビー、高校は陸上競技とスポーツに打ち込んでいました。高校では円盤投げでインターハイを目指しながらもあと一歩で果たせずその後20Kgの減量と並行して受験勉強に集中し、早稲田大学文化構想学部に入学しました。
   スポーツ一辺倒だったかのような印象を受けるかもしれませんが、母方の実家が本屋だったこともあり幼いころから読書環境には恵まれていました。文化構想学部を志望したのも、高校時代に「寺院消滅」というルポルタージュを読み日本の寺院の未来について興味を覚え、文化遺産を多角的な視野から学べると考えたからです。
   
Q2.雄弁会に入った理由と雄弁会の良さを教えてください。
   入学当初は雄弁会の門を叩くつもりはありませんでした。ただ、沢木耕太郎の「テロルの決算」が好きで繰り返し読んでいたので浅沼稲次郎が所属していた雄弁会の存在は知っており、どのような活動を行っているのか覗いてみようと思ったのがきっかけです。雄弁会という名前の印象から演説の方法論を学ぶのが主な活動内容だと思っていましたが、その活動内容は多様です。弁論大会やインターン、遊説や研究会など自分の好きなことに力を入れて活動することができます。
   僕は昨秋早稲田祭で開催された大隈杯に出場したことが一番印象に残っています。何週間も前から原稿を準備し推敲を重ねるのは非常に大変なことでした。その反面、先輩や同期が自分の文章に徹底的に向き合ってくれて改善を重ねた末に完成した原稿を読み上げ終えた瞬間の感動は忘れることはできません。雄弁会の良さとはこのように会員同士が真剣に向かい合うことではないでしょうか。自分の意見、本音を語り合うことのできる場は現実にはそう多くありません。それは時に労力を要することがあるかもしれませんが、その結果得られるものは特別なものだと思います。
   
Q3.どのような雄弁会にしたいか、意気込みを合わせて教えてください
雄弁会は100年を超える歴史の中で様々な学生が集い、そして総理大臣をはじめとする多様な人材を社会に輩出してきました。こうした歴史を鑑みると雄弁会史とは一見栄光の歴史ではないかと感じてしまうかもしれません。しかし、こうした輝かしい結果はあくまでも表層の結果にすぎず雄弁会の歴史の本質とはむしろ挑戦と失敗の歴史にあるのではないかと考えています。社会情勢の変化とともに歴代の先輩方は情勢に適した活動内容を試行錯誤し続けてきました。その過程で当然数多くの失敗を繰り返してきたことでしょう。そうした挑戦と失敗の歴史の連続性のなかで現在の雄弁会があります。そしてこの失敗を恐れず社会変革のために挑戦する精神こそが変化を繰り返すなかでも根底にある共通する雄弁会の精神ではないでしょうか。そして自分自身も失敗を恐れずコロナ禍という難しい状況ではありますが会員同士が気軽にやりたいことに挑戦できるような環境の整備に邁進していきたいと考えています。
   
Q4.新入生や早稲田を目指す人たちに一言
私は雄弁会に入会するまで他者から自分の意見の批評を受けること=失敗と捉えてとにかく批評を受けないように縮こまっていました。しかし、雄弁会に入会し他者からの批評を通じて議論を行うことで意見がより磨かれていくのを身をもって実感しました。
この文章を読んでくれている新入生もいることと思うので改めてお伝えさせてください。自分の意見に批評を受けることを恐れず挑戦しに来てください!切磋琢磨しあう仲間と議論する日々は本当に楽しいものです。
皆さんと共に学びあえる日を楽しみにしています。

大隈杯

大隈杯表彰式の写真 画面左:井出会員