6月22日(土)、早稲田大学7号館321教室にて2013年度前期早稲田大学雄弁会早慶新人雄弁大会が開催されました。
当会からは、3週間前の予選を勝ち抜いた五名の弁士が出場、この日に向けて磨いてきた弁論を溌溂と披露しました。
第一弁士として登壇した森内会員は、「希望を、光よ!」との演題の下、失業者・ワーキングプアの問題について論じました。失業給付の給付期間が短いことや雇用のパイが少ないことを主張し、
①失業給付の期間拡充
②ワークシェアリングの実施
③負の所得税の導入
を政策として訴えました。
森内会員は明快な論理で訴え、効果的に聴衆をひきつけておりました。
第三弁士として壇上に立った吉原会員は、「今、この手を」との演題の下、国家のなかで移動を余儀なくされ、国内の他の地域に避難せざるを得ない国内避難民について弁論を行いました。難民と比較した上で国内避難民の地位・保護程度に関する、国際規定が未確定であること、国内避難民に対しての国際的保護に関する負担分担と、保護管轄組織が未確定であることを指摘し、
①国内避難民の地位・保護程度に関して明記した条約の締結
②「国連人道問題調整事務所」を管轄組織とする、NGO組織主体の保護体制の確立
を政策として訴えました。
吉原会員はメリハリのある声調で訴え、聴衆を魅了しておりました。
弁論の部も中盤戦、第五弁士として登壇した宇都木会員は、「討議の可能性」との演題の下、熟議による快適な社会の実現を主張しました。熟議によって民意が合意形成され、その民意を反映した政策が実行され、そして、最終的に政策による問題の解決を人々が実感できる状態を実現するための市民討議会制度に不備が或ることを指摘し、
①市民等議会の制度の確立
を政策として提言しました。
宇都木会員はボディランゲージを交えた迫力のある声調で訴え、議場を圧倒しておりました。
第七弁士として登壇した水野会員は、「社会と自己」との演題の下、失業者・ワーキングプアの問題について論じました。ワーキングプアに対して正規労働者と非正規労働者という雇用形態の区別が存在すること、失業者に対して職業訓練受講のインセンティブがないことを指摘し、政策として
①解雇規制の緩和
②同一労働同一賃金の導入
③職業訓練の受講を雇用保険の給付を受け取る条件とすること
の3つを提言しました。
水野会員は圧倒的声調で訴え、聴衆の説得に成功しておりました。
そして早稲田側のトリ、第九弁士として登壇したのは渡邊会員でした。渡邊会員は「政治せよ!地方議会」との演題の下、地方議会問題について弁論を行いました。地方議会が、住民の民意を調査する特別な機会をほとんど設けていないこと、これまでの中央主権体制の影響で、政策立案の能力が養成できていないことを指摘し、
①意見公開会・インターネット上での意見交換のプラットフォームの設置
②議会内の政策立案能力を確保するために政策スタッフの雇用
を政策として提言しました。
渡邊会員は歯切れ良い声調で訴え、議場の説得につとめておりました。
結果は以下の通り。
優勝 早稲田大学 水野志保弁士
準優勝 慶應義塾大学 東海林晃弁士
第三席 慶應義塾大学 飯島えとな弁士
水野会員、優勝おめでとう!
今回は、新人戦ながら非常にハイレベルな大会となりました。今大会までにたゆまぬ努力を続けてきたことが伺えるレベルでした。
弁論大会を初めて経験した一年生にとって得るものの多い大会となったことでしょう。入賞したかどうかにかかわらず、今回の経験を次に生かせるようこれからも精進しましょう。
相手側である慶應義塾大学辯論部の皆様、当日会場にお越しくださった皆様、定例演練や弁論の添削などお力添え頂いた会員の皆様、ありがとうございました。