雄弁会の活動内容

入会を考えている方へ、雄弁会とその活動についてご説明します。

雄弁会とは 幹事長 平栁晴翔

我が国には、能弁家や達弁家は多いが、真の雄弁家はほとんど⾒当たらない。

我々は事実の説明家や思想の叙述者を以て満⾜してはならない。

宜しく輿論を喚起し、⼀世をも動かす真の雄弁家を作らねばならない。



我が早稲⽥⼤学雄弁会は、

経国済⺠の志を有する情熱と実践⼒とに溢るる学⽣の集まりであって、

⼤隈⽼侯建学の精神たる学の⾃由と独⽴とを死守し、

雄弁技術の演練と、理論の究明と、社会的実践とを通じて、

発展して⽌まざる⽇本国家並びに社会の進運に寄与せんとするものである。

この文章は、雄弁会の軸である「結成趣意」と「会旨」と呼ばれるものです。雄弁会は、この「結成趣意」と「会旨」に基づき、会員それぞれが、「演練」・「研究」・「実践」という三つの活動を自由に行いながら、「一世をも動かす」ほどの非常な説得力を持って行動する「雄弁家」を目指すサークルです。

「演練」とは、弁論作成を通じて自身の演説技術を磨くことを指します。昨年度は、11の弁論大会で入賞させていただきました。

「研究」とは、本や議論を通じて自身の知見を深めることを指します。「公共政策研究会」、「国際政治研究会」、「社会学研究会」の3つの研究会ごとに、本を輪読して、それに関する議論を行っています。昨年度は、「公共政策研究会」では、「EBPMとは何か―令和の新たな政策形成」(小倉將信、2020)などを、「国際政治研究会」では、「国際紛争―理論と歴史」(ジョセフ・S. ナイ, ジュニア、2017)などを輪読しました。

「実践」とは、演練で鍛えた技術や研究活動で得られた知見を生かして、実際の社会で様々な取り組みを行うことを指します。具体的には、著名な方をお呼びした講演会や企業・国会議員事務所へのインターンなどを行っています。昨年度は、日本銀行前総裁 黒田東彦様や防衛省防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長 山添博史 様をお呼びした講演会を行いました。 

どの活動を重点的に行うか、どんな「雄弁家」を目指すかは、会員の自由です。皆さんと共に活動できることを楽しみにしています。

弁論と演練について 前演練幹事 枦木仁哉

弁論は演説の一種です。自らの問題意識を自らの言葉で発表し、聴衆を説得することを目的としています。そしてその弁論を披露する場が弁論大会です。首都圏を中心に複数の大学が主催・参加し、年に約15回開催されます。基本的に各大学から1名の弁士(出場者)が選出され、聴衆をいかに説得できるかを競い合います。この弁論大会が単なるスピーチ大会と異なるのは、「野次」や「質疑」があるという点です。聴衆から時に厳しい野次や質疑がありつつも、挑戦したこと自体は受け入れられる、そんな議論空間が弁論大会です。雄弁会では、毎年11月の早稲田祭の日に大隈杯争奪雄弁大会を開催しています。

そして弁論を作成する上で欠かせないのが演練です。演練とは、問題意識に基づいて多様な知見と自身の考えをまとめ、他者からの反応に基づいて自身の弁論の修正を繰り返すものです。演練を通じて、自身の考えを論理的に構成し、また聴衆に理解してもらうための表現方法を磨きます。

弁論を書くのは誰でも最初は不安だと思います。しかし、経験豊富な先輩たちが演練によって皆さんを最後まで支えることを約束します。

皆さんが雄弁会の扉を叩いてくれることをお待ちしてます!

<2024年度の大会実績>

第5回國學院大學学長杯争奪全国学生弁論大会:優勝

第9回福澤杯争奪全国学生弁論大会:第三席

第46回全国学生新人弁論大会:準優勝

第49回春秋杯争奪全日本学生雄弁大会:準優勝

第27回桜門杯争奪全日本学生弁論大会:準優勝

第64回花井卓蔵杯争奪全日本雄弁大会:第三席

第3回東京農業大学長杯争奪全日本農林水産学生弁論大会:優勝

第35回雄叫杯争奪安全保障問題弁論大会:優勝

令和6年度桜弁会杯争奪学生弁論大会:優勝

第14回全日本学生弁論大会:第三席

第28回紫紺杯争奪全国学生雄弁大会:優勝

研究活動について 前研究幹事 土谷肇

雄弁会では研究活動が活発に行われています。研究活動の柱となっているのが、分野ごとに存在する常設の研究会です。研究会では、週一回、その分野に関するテキストの輪読やレジュメの作成・発表、ディスカッションなどを行い、学びを深めます。現在は「公共政策研究会」「国際政治研究会」「社会学研究会」の三つが活動しており、多くの会員がいずれかの研究会に所属して活動しています。

その他に、希望会員が自身の興味分野について講義する単発勉強会が頻繁に開催されています。内容は、会員の多様な興味分野を反映して、「データ分析勉強会」「文章技術勉強会」「司法制度改革勉強会」などさまざまです。単発勉強会は、各会員の多様な学びを会へと還元する場であると同時に、勉強会を開催することにより発表者自身の学びを深める機会としても機能しています。

また、雄弁会では研究活動の一環として会誌を発行しており、会誌に寄稿する形で自身の研究成果を発表するなど、多様なアウトプットの機会が確保されています。

雄弁会の研究活動の強みは、インプットとアウトプットの機会がいずれも豊富に存在し、腰を据えて研究に取り組めることです。そうした環境を支えているのが、会員の旺盛な研究意欲です。毎週の研究会では、意欲ある会員同士の活発な議論が交わされ、毎週のように単発勉強会が開催されています。雄弁会では、意欲ある仲間と有意義な学びを得られる機会が溢れています。

実践活動について 前実践幹事 内野そら

雄弁会では、「実践活動」として、演練・研究で培った力を社会で生かしていくための活動を行っています。

例えば、街頭に立って自分の理念や問題意識に関して演説を行う「街頭演練」や、政治家の方の事務所や企業での長期インターンを行う機会があります。

また、月に一回の頻度で、会員の興味関心に応じて、外部講師をお呼びした勉強会も行っています。昨年度は、慶應義塾大学名誉教授 元総務大臣・経済財政担当大臣 竹中平蔵様、防衛研究所地域研究部米欧ロシア研究室長 山添博史様をはじめとして様々なフィールドで活躍されている方々からお話をうかがいました。

このように、雄弁会には個人の興味関心からさまざまなコネクションが得られる機会が多くあります。

自分の理想を持ち、そのために社会で積極的に活動していきたい人はぜひ雄弁会へ!